ジャズのセッション動画を見たり、楽譜を開いたりしていると、必ずと言っていいほど頻繁に登場する言葉があります。それが「ツーファイブ(Ⅱ-Ⅴ)」です。ジャズを演奏する上では避けて通れない、基本中の基本となるコードの組み合わせです。今回は、難しい理論を省き、「そもそもツーファイブとは何なのか?」という基本の紹介と、ジャズにおいてこれほどまでに必須と言われている理由を5つのステップで分かりやすく解説します!
目次
1. 始める前に | ダイアトニックコードを押さえておこう
ツーファイブを理解するために、まずはその土台となる「ダイアトニックコード」について知っておく必要があります。
ダイアトニックコードとは、あるキー(調)のスケール(音階)に並ぶ音だけを使って、1つ飛ばしに音を重ねて作られた「7つの基本コード」のことです。人間でいえば、同じ町に住んでいる「7人の家族」のような関係性に当たります。
例として、一番基本となる「Cメジャーキー(ハ長調)」のダイアトニックコード(四和音)を見てみましょう。ドレミファソラシの音から、以下のような7つの基本コードが生まれます。

この「Ⅰ〜 Ⅶ 」の番号が、コードごとの役割を表しています。この7つの中から特定の番号を組み合わせることで、さまざまなコード進行が作られます。
2. ツーファイブとは? ―― 2番目と5番目のコードのセット
ダイアトニックコードの仕組みが分かれば、ツーファイブの正体はとてもシンプルです。
ツーファイブ(Ⅱ-Ⅴ)とは、先ほどの7つの基本コードの中から、「2番目のコード(Ⅱ)」と「5番目のコード(Ⅴ)」を抜き出してセットにしたものを指します。
先ほどのCメジャーキーの表に当てはめてみましょう。
- 2番目(Ⅱm7): Dm7
- 5番目(Ⅴ7): G7
この2つを繋げた「Dm7 ➔ G7」というコードの流れそのもののことを、ジャズでは「ツーファイブ」と呼んでいます。

3. なぜジャズに必須? ―― ツーファイブワンセットで覚えよう
ポップスなどでもツーファイブは登場しますが、ジャズにおいてこの進行は「絶対に必須」とされています。その理由は、ジャズの楽曲が持つ独自の構造にあります。
ジャズのスタンダード曲の多くは、1曲の中で次々とキー(調)が目まぐるしく変わる「転調」を何度も繰り返すように作られています。何の前触れもなく急に別のキーのコードに飛び移ってしまうと、音楽の繋がりが不自然になってしまいます。
そこで、「いまから新しいキー(主音)へ移動しますよ」というスムーズな案内役(滑走路)として、次に新しく進むキーの「ツーファイブ」を直前に配置するという決まりがあります。ツーファイブというクッションを挟むことで、どんなキーへも滑らかに繋ぐことができるため、ジャズの楽曲は「いろいろなキーのツーファイブ」がパズルのように組み合わさって構築されています。
ツーファイブの後には、必ずそのキーの1番目の中心コードである「ⅠM7(トニック)」へと着地するため、実際の演奏や練習ではバラバラにせず、「Ⅱm7 ➔ Ⅴ7 ➔ ⅠM7」という【ツーファイブワン】の3点マストセットでセット暗記しておくことが基本であり、最も重要なポイントになります。

4. まとめ | ジャズ的基本進行「ツーファイブ」の役割
今回は、ジャズに必須のコード進行「ツーファイブ」の基本知識についてご紹介しました。
- ダイアトニックコードの2番目(Ⅱ)と5番目(Ⅴ)を組み合わせた進行
- Cメジャーキーにおける具体的なコードは「Dm7 ➔ G7」のこと
- 実際の楽曲では、中心となるコード(ⅠM7)を合わせた「ツーファイブワン」のセットで動く
- ジャズ特有の目まぐるしい「転調」を滑らかに行うための必須の滑走路である
ジャズの曲の多くはこの進行の組み合わせでできているため、まずは楽譜やコード進行を見たときに「あ、ここにツーファイブワンのセットがあるな」と発見できるようになることが大きな前進です。この基本セットを頭の引き出しに入れておくことで、曲の構造が格段に捉えやすくなります!
5. ツーファイブワン一覧 | 全キー完全網羅表
日々のコードチェックや、さまざまなキーでの練習のガイドとして役立つ全メジャーキー(長調)の一覧データです。まずは自分が弾きたいキーや、練習している課題曲のキーの並びをピアノの上で確認してみましょう!
